初号機と弐号機~ユイの希望とゲンドウの欺瞞~・その1キョウコの「提唱」と分かたれた魂
ネタばれ感想
※詳細なストーリーなど、作品の内容について書かれています
弐号機の謎について
初号機と照らし合わせながら考察してみました。
まずは、弐号機の魂といわれる
惣流・キョウコ・ツエッペリンの「提唱したこと」や悲劇についてまとめました。
惣流・キョウコ・ツエッペリンという人物とは?
アスカの母、惣流・キョウコ・ツエッペリンは
ゲヒルンのドイツ支部に勤める科学者でした。
彼女はE計画に関わり、
日本から送られてきたEVAの設計書や部品をもとに
組み立てや研究に携わっていたと思われます。
研究に没頭するあまり家族を気にかけなかったらしく、
夫は愛人をつくり、
娘・アスカは寂しさと反動からくる気丈さという不安定な心を形成しつつありました。
家族の変化は薄々気づいていたかと思われ、罪悪感もあったと思います。
後の精神崩壊も含め「エヴァに取り憑かれた人の悲劇」がここにもあったようです。
そんななか2004年に日本のゲヒルン本部で起きた、
EVAと接触実験を行った碇ユイがEVAに取り込まれ消失した「事故」は、
彼女らドイツ支部の科学者達にも衝撃的だったと思われます。
そして第弐拾弐話「せめて、人間らしく」冒頭、
2005年のキョウコの葬儀および埋葬シーンでのセリフに、
「提唱した本人が実験台」とあります。
ユイの「事故」をうけキョウコはユイとは別の方法でEVAに接触し
魂を宿らせる方法を考え実行したのではないでしょうか。
キョウコの「提唱したこと」を考える
以前、記事「ヤングエース第4号感想~2つのインパクトの真相とアスカを護る母~」
で少し述べましたが、
2002年にはゲヒルン本部で
人格移植OS「MAGI」が赤木ナオコによって開発中だったので、
ゲヒルンではヒトの魂や人格について様々な研究がされていたと思われます。
EVAとの接触実験に関するなんらかの「提唱」をしたキョウコも
おそらく魂について研究していた科学者であったと思います。
EVAの基礎理論を解いたユイは、
魂のないEVAをヒトが制御するために
肉体ごと自らの魂をEVAに取り込む方法をとりました。
しかしそれは事情を知らされていない科学者達にはショッキングな「事故」でしかありません。
キョウコはユイの様にEVAに取り込まれてしまわない方法で、
EVAを制御する事=EVAに魂を宿す事を模索したと思われます。
では一体どんな方法を「提唱」したのか・・・?
私が考えたのは、精神分裂という結果から推測したことなのですが、
例えばヒトの魂を分割してEVAに移植する方法です。
またはヒトの魂をEVAにコピーする方法です。
カヲルいわく「ヒトは無から何も造れない」存在ですが、複製することは得意なので、
魂もコピーしようとしたのではないでしょうか。
とはいっても、
私には魂が分けられるモノなんて最初とても考えつきませんでした。
ぶっちゃけてしまいますとw「ハリー・ポッター」を鑑賞した時に
「魂の分割」という衝撃的な考え方を知りまして、
その時先述のカヲルのセリフと合わせて、
エヴァ世界でも「魂のコピー」がありえるかもと思った次第です。
魂への冒とく、そして引き裂かれた魂
しかし彼女の理論は完璧だったのでしょうか?
ヒトたらしめる唯一無二の魂をコピーしようとする暴挙。
相手は未知の生命体、EVA。
ユイの「事故」の例。
そしてキョウコの埋葬シーンにあった
「仮定が現実の話となった」というセリフもあるように、
失敗する可能性も危惧されるハイリスクな理論だったと思われます。
そして心配されていたとおり実験は失敗し、
キョウコの魂はキョウコの肉体とEVAの素体とに分裂して
宿る結果になってしまいました。
娘を想う「母」の部分をEVAに吸収され、
愛人をつくった夫を憎む「女」の部分が自らに残されました。
母性や理性が欠けたキョウコはアスカの存在も分からなくなり
やがて自らも否定して自殺してしまいました。
ただ、キョウコの自殺はアスカのパイロット選出と同時期であり、
仕組まれたものという印象が残ります。
情報操作や偽装工作はゲンドウの得意技であるので、
もしかしたらキョウコはゲンドウに
「セカンドチルドレン選出に都合よく」殺されたのかもしれません・・・。
専門分野や「提唱したこと」について、
多くは語られていないキョウコについての考察は難しかったです。
でも彼女についていろいろ考えてきたことが一応形となりホッとしています。
次はさらに頭を悩ませた弐号機のコアについて、考察を述べるつもりです。
参考資料
- アニメ版の第弐拾、弐拾壱、弐拾弐話、25話
- 漫画版のVolume 8、9、12(巻数)
- 週刊エヴァンゲリオン・クロニクル 新訂版の弐号機および惣流・キョウコ・ツエッペリン関連記事
- エヴァンゲリオン用語事典
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