Blu-ray「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 2.22」感想(ネタばれ)
ネタばれ感想
※詳細なストーリーなど、作品の内容について書かれています
Blu-ray版「エヴァンゲリヲン新劇場版:破 2.22」の感想を、
もうちょっと内容に踏み込んで書きました。

女性達の変化シンジの変化、破天荒で興味深いマリ、深まる謎
以前、映画「破 2.0」のネタばれ感想
(記事「映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」感想(ネタばれ)」でもまとめたのですが、
「破」は主な女性達の描かれ方が変わったように感じました。
子供達を見守り励ますミサト、
健気で笑顔が増えたレイ、
反発しつつも歩み寄り素直になったアスカ。
そんな女性達に影響されシンジの行動が変わり、
そして物語も旧世紀版とは違う方向に変わっていく期待もさせてくれました。
新キャラ・マリの破天荒さは、まさに彼女の役割「破」のとおり興味深かったです。
やられてもやられてもたくましく生きている並はずれたタフさの理由や
可愛らしい語尾の「にゃ」はもちろん不思議ですがw、
彼女の目的は一体なのか?「自分の目的に大人を巻き込む」というセリフの意味は?と、
興味が尽きません。
「エヴァ」といえば謎、「破」でも謎は増えてさらに深まりました。
ネブカドネザルの鍵、セカンド・インパクトの巨人たち、真のエヴァンゲリオン、
ゴルゴダベース、Mark.06・・・
続編「Q」と「?」でどこまで明かされるのか期待してます。
日本海洋生態系保存研究機構での邂逅
「世界が一度壊滅した世界に、たくましく生きる人類」をより感じたのが
日本海洋生態系保存研究機構でのシーンでした。
子供達が赤い海を当たり前の光景としていたため、
初体験の青い色や潮風や魚介類に驚きはしゃぐ様子がとても印象的でした。
食事や会話を通して邂逅するのも良いですね。
シンジくんのお弁当、お味噌汁に感動するレイ、
加持さんの教え、ミサトさんの切ない過去・・・。
あと「ヱヴァ」の世界の現状を見せてくれたのも良いです。
旧世紀版(「新世紀エヴァンゲリオン」)のあらすじに
「セカンド・インパクトによる天変地異」とあり何度も目にしていたのですが、
「嗚呼、本当に「ヱヴァ」は一度死にかけた世界の物語なんだな」と改めて認識しました。
セカンド・インパクト以後必死に復興をとげようとしている人類の事を想い
目頭が熱くなったシーンです。
第3新東京市の美しい描写
第3新東京市とその近郊の
最先端技術にあふれつつ自然も適度に残る風景は、
たとえ人間の都合で造られたものであってもステキです♪
なかでも朝のシーンがお気に入りです。
マヤさんみたいに、地下から生えるビルと共に出勤するのもいいな~w。
それと実は、
旧世紀版の第壱話や第弐話の背景にシュシュシュッとそびえ立つ集光ビルを見た時から
「あれ何だろう?」と気になる存在でした(恋?)。
「新世紀エヴァンゲリオン」の「Newtypeフィルムブック」や
「Newtype100%コレクション」の解説などで、
あのビル群はジオフロントに光を取り込むモノだと知ってからもう気になって気になってw。
「破」では回転して太陽光を取り入れるのを遂に実際に見れて感激!
特典フィルムが集光ビルだったのもご縁ですね、きっとw。
でも、第10の使徒の攻撃を受けて
壊れてしまったのがわかるカットが最後にありますよね・・・悲し・・・。

お茶目なキャラ達
マリの「にゃ」だけでは済まされない!
「破」ではキャラクター達が本当に可愛くお茶目でしたw。
ちょっちツッコミをいれつつ羅列してみます。
①シンジくんのいじられっぷり
(アスカに蹴られ、マリに嗅がれ、加持には迫られ・・・)
②レイの浄化浴槽の中での仕草。特に正座
③ミサトの「ダミーシステムってやつ、なんっかいけすかないんだけどぅ!(酔)」
(グランディス女史みたいw)
④アスカのシンジひとすじ?なツンデレぶり
(加持への想いがないぶんストレート?)
⑤トウジの妹す~りすり
(祝、初登場&退院!おめでとう)
⑥加持さんの色気・・・(ミサトさんじゃなくても照れますよ)
⑦ペンペンの「きをつけ!」(先輩風をふかせてw)
⑧タコさんウィンナーの目(シンジくん、そこまで凝る?ユイさんの直伝か?w)
旧世紀版との比較
「破」は旧世紀版の第八話~第拾九話という
爽快なアクションや深まる謎など面白い展開が主になっているだけあって
本当にワクワクしますね♪
さらに見せ方も変わり魅力がUPしました。
弐号機が第八話の八艘跳びや「Air」の弾幕をかわす時の様な
美しい飛翔を2号機は冒頭に魅せてくれました。
旧世紀版のラストで心配しながらお別れしたアスカが
元気に帰ってきた風に見えて嬉しかったです。
第拾弐話でサハクィエルの落下をEVA3体で食い止めるシーンは当時もハラハラしましたが、
疾走する初号機に気持ちいいくらい吹き飛ばされる車や電車とか
第8の使徒の「中のシト(人)」wがよりワクワクドキドキさせてくれました。
あと、シンジくんがお弁当をレイにも振る舞うことで青春?要素が加速したし、
その平和が見事に壊されるのも切なかったし、
初号機対3号機の生々しい動きもダミーシステムの非道っぷりも怖かったし、
零号機の抱えたN2ミサイルがレイの決意をより表していたしと、
あらゆるシーンで旧世紀版に心震えるような強化がなされ再構築されてました。
クライマックスの初号機の覚醒も、
「破」ではシンジくんの意思が引き金になっていることも驚きと感動をよぶものでした。
第拾九話での初号機は同じくシンジの呼び声に応えたものの
どちらかといえば暴走に見え、シンジくんは初号機のなすがまま融合した様でした。
なので、「綾波を、返せ!」とレイを助けるべく奮闘するシンジと
それに応えようと自らを高める初号機に感激したのです。
日本人らしい言い回しが好きです
「日本人の心情は察しと思いやりだからよ」と、
不用心な日本人を嫌悪するアスカにミサトさんが「和の心」を説明するシーンは、
旧世紀版第九話から好きでした♪
「破」でもそんな日本人らしい言い回しが聞けてなんだか嬉しくなりました。
またもミサトさんがアスカを諭す「和をもって貴しとなーす」とか、
ビーストモードで必死なマリの「身を捨ててこそ・・・浮かぶ瀬も・・・ある!」とか。
なんというかスッとキャラの想いが伝わってくるのは、やはり日本人だからでしょうか♪
BGMに効果音、音がドキドキさせる
初号機が3号機の頭部を破壊する時の音は嫌な音です。
初号機のロケットパンチ?の音は力強いし(やはり元ネタあるの?)、
第10の使徒のコアに初号機=シンジがレイを探そうとかざした時は水の様な音がしました。
Blu-rayで鑑賞してちゃんと聴いた効果音はどれもドキッとするほど生々しいです。
それと、スタジオカラーのロゴの効果音やミサトさんの携帯着信音は
円谷プロ作品のファンにはおなじみの音なんですね。
現にBlu-rayで「破」初見のダンナがすぐ気付きましたものw。
BGMは、それはもう劇場で聴いた時もサントラで聴いた時も
すでに涙ぐむ感動の楽曲ばかりなんですが、
改めてマリとレイの特攻シーンにかかる「The Final Decision We All Must Take」で
ボロボロ涙を流してしまいました。
娘が「どうしたの?」とハンカチをあててくれたくらいですw
効果音もBGMも、「破」に流れる音はドキドキさせてくれます。
細かーい修正と追加シーン
「破 2.22」は物凄い数のシーンの修正があるんですよね。
でも、加持に見つめられてミサトの照れる顔や
マリのプリーツスカートの際どさが変更されたのはなんとかわかりましたが、
もう他の細かな修正はさっぱりわかりません。
むしろ分からないままでも良いですw、「問題ありません」。
一方追加シーンは、旧世紀版でもおなじみのセリフやシーンに関するものでした。
①アスカとの出会いの後に、3バカトリオ(失礼?)が駅で加持さんと出会うシーン。
「彼女の寝相の悪さを知っている」
出ましたね・・・オトナなセリフw。加持さんはこれを言わなきゃ?
②パイロット3人がテストプラグでシンクロテスト。
モニターにパイロット3人が並ぶおなじみのテスト風景ですが、
退屈なアスカの「まいっちんぐ」(マチコせんせ・・・)や、
暇を持て余しているミサトさんのイスくるくるが新しくてキュート♪
学校を休んだレイを気にするシンジと、
実験やテストで疲れたようなレイの隈?は心配になりました。
娘も「レイちゃん、どうしたの?」って言ってました。
③3号機の輸送と雷雲のシーン。
やはり3号機は雷雲に接触し、第9の使徒に侵入されたんでしょうね・・・。
キャラのドラマがある、お蔵入りシーン
特典映像の「Omit Scene」には4つのお蔵入りシーンが収録されています。
映像こそ完成していませんが、仮の効果音や本番並みの声優さんのセリフが入っていて、
キャラクターのささやかなドラマを見られるシーンです。
①第7の使徒殲滅後、
ミサトさんが子供達を連れて帰る途中に加持さんと再会(シンジ達は初対面)する。
旧世紀版第八話のようにミサトさんは恥ずかしくて慌てます♪
②謎の施設での実験後(旧世紀版どおりダミーシステムの?)、
リツコさんの身体検査を受けるレイ。
注射を打たれ「体に違和感」や「意識にズレ」を訊ねられるあたりはSFっぽく、
「こんな下着じゃかわいそうね」とか
「もっと可愛いのにしてあげましょうか」とか言われるあたりは昼ドラっぽい?w。
レイとリツコさんの間の緊張感にドキドキです。
謎の施設の俯瞰図も見られます。
③本部施設のちょっと外、加持さんのスイカ畑に案内され喜ぶシンジくん。
まるで「貞本エヴァ」Volume.8「STAGE.54 ネルフ誕生」で
レイが見知らぬ本部の庭園へシンジくんに連れて行ってもらった場面のよう
(レイは淡々としてますがw)で、微笑ましいです。
④4号機消滅後のミサトさん達主要スタッフの会話。
米国の態度に「虫が良すぎない?」と文句を言うのは、
旧世紀版第拾七話にも同様のセリフがありますね。
小言だらけの中にあって自信満々のマヤさんがちょっち浮いてます?。
個人的には「ヱヴァ」のいろんなシーンやセリフが鑑賞できるのは
「ヱヴァ」の世界を知ることが出来て嬉しいです♪
しっかし、お蔵入りシーンではシンジくん、加持さんに愛されてますねw。
贅沢なメイキングに涙
映像をより完全なものへと仕上げていく過程や
試行錯誤が本っ当に半端ない事が伝わるメイキングですね!
使徒へ疾走する初号機のビルの飛び越え方のいろいろなパターンとか(足バタバタ)、
第8の使徒の断末魔のパターンとか(丸くなるか伸びたままか)、
めちゃめちゃ試していたんですね。
あと、カクカクエヴァが仕上がる過程や、
5号機のエントリープラグがロケット?みたいな形で脱出していた事、
第3の使徒がどうやらベルトみたいなもので(封印?)丸められている様子等、
メイキングで初めて気付いた緻密な作画に驚きました。
CGで美麗になっていくのも凄いですが、
鉛筆画の動画や背景が見れるだけでも感動です。
仮の彩色をされたユイさんの笑顔も嬉しい・・・。
メイキング映像のBGMについては、膨大に作られた楽曲の中から
本編にもサントラにもない曲を庵野総監督がチョイスしたものであると、
同梱のパンフレットに書かれていました。
最後の「翼をください」は、
エレクトーンのストリングス音源が耳になじんだ身としては、
間奏がとても味わい深いバージョンですね。
パンフレットの鷺巣詩郎さんの解説も贅沢♪で、
映像と同じで楽曲も様々なバージョンが作られた事など面白いお話が読めました。
鷺巣さんの解説を読んで改めてサントラと聴き比べ楽しみました!
そして、メイキング映像ラスト近くのフラッシュバックはなんですか?!
泣いちゃうじゃないですか・・・。
以上でネタばれ感想をとりあえず締めます。
ここまで「破 2.22」は、ストーリーも映像も音楽も
特典映像まで緻密でサービス精神旺盛に作られているのに、
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の物語としてはいまだ半分で
先行き不透明なライブ中なことがなにより驚愕w
「破 2.22」を見た娘がもう
「「Q」っていつ、いつ?」
とか質問してきますがw、
「Q」の制作もきっと悪戦苦闘していらっしゃることとと思いますので、
「序」と「破」のBlu-rayやDVDで娘をなだめつつw
楽しみに待たせていただきます♪
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TOWER RECORDS ONLINEの「ヱヴァ」特集ページ
「EVANGELION:2.22×TOWER RECORDS"SYNCHRO THE MUSIC"」の
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