映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」感想(ネタばれ)
ネタばれ感想
※詳細なストーリーなど、作品の内容について書かれています
「破」は女性が変化した「エヴァ」。そして男性も、物語も変わる・・・?
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」4部作の第1作目である
前作「序」のラストでシンジくんは変わりつつありました。
反抗しながらも徐々にミサトさんに対して信頼が芽生えつつあり、
恐怖心をこらえて使徒に立ち向かいました。
シンジくんが変わってきたのは、
ミサトさんが彼の境遇や心情に対し理解したり、
共に闘う仲間として接し彼の手を強く握ったりするなど、
シンジくんとの関わり方を変えたからだと思います。
「旧世紀版」よりも二人の絆は強くなっていると思いました。
その続きである「破」では、
ミサトはもとよりレイもアスカも変わり、
シンジくんをさらなる「別の可能性」へと導いている気がしました。
優しく子供達を見守るミサト。女神の様に・・・
冒頭、ユイさんのお墓参りから戻ったシンジくんを待っていたミサトさん。
監視役っていう意味もあるのだろうけど、
父親との不器用なふれあいを心配していたんだろうな~と思います。
そして、アスカとシンジくんのぎくしゃくした邂逅を見て、
二人の理解を深めるべく同居させます。
無謀だけれどおかげで二人は少し気持ちを打ち明け合って
いいムードになりましたね(笑)。
ちなみに二人ともペンペンにビックリするのが可愛らしいですね♪
アスカが3号機に乗る直前に語る素直な想いに耳を傾け、
世界の素晴らしさを教えるところはジーンとしました。
あの時のアスカはビューティフルワールドを感じていたかも知れませんね。
そして「破」ラスト、
レイを助けるべく例えヒトとしての姿を失おうとも使徒に向かうシンジくんを
「行きなさい!」と後押ししてあげました。
シンジくんとアスカを優しく見守り続けたミサトさん。
彼女の、より子供達と関わろうとする想いが
二人を変えたと思います。
シンジを想い、笑顔が増えたレイ
「序」の第6の使徒殲滅後、
助けに来たシンジくんに笑顔を見せたレイ。
それまでゲンドウさんにしか心を開かなかった彼女が
初めてゲンドウさん以外の人に心を開いた瞬間でした。
「旧世紀版」ではその笑顔がたった一度のものだったのですが、
シンジくんの優しさ=お味噌汁やお弁当の美味しさが
さらにレイの心を開いたのか「破」でもまた微笑みを見せてくれました。
ゲンドウさんに食事会を提案する時、
料理の練習で指を怪我した事をシンジくんに秘密にする時、
シンジくんを想いレイは自然に笑顔になりました。
私はレイの微笑みが好きです。
「旧世紀版」「序」では神々しささえ感じたくらい。
でも「破」の微笑みは可愛らしい少女の微笑みに見えました。
レイは笑い方も変わり、
そして笑うだけでシンジくんも「エヴァ」も変えた気がします。
加持へのわだかまりがない分、ミサトに素直になったアスカ
「旧世紀版」でのアスカは、
加持さんに憧れるあまりミサトに嫉妬し、
シンジくんの成績が良い事への悔しさもあって
だんだん同居生活も彼女の精神も壊れていきました。
ミサトさんもアスカもまるで父親の代わりに加持さんを想っていたようですし、
二人の仲は良くなるわけがありません。
でも「破」のアスカは加持さんへの興味がないようですから、
変なわだかまりもなくミサトさんと接しています。
ミサトさんの項で述べたように、
3号機に乗る前は素直に心情を吐露したことから
自分が素直に笑えることに気がつきました。
プライドが高いから
あいかわらずシンジくんには複雑な想いがあるようだけれど、
シンジくん好みの料理を作ろうと頑張る姿もまた素直で可愛らしかったです。
女性達の変化はシンジくんも変える
生活でも戦闘でもいつもシンジくんを信頼し支えてくれるミサトさん。
笑顔が増えシンジくんを気遣い料理したり使徒に特攻をかけるレイ。
最初は見下されていたけどだんだんシンジくんのことを認めて、
シンジくんやレイの為に5号機3号機に乗ってくれたアスカ。
身近な女性が自分の為に変わって影響を受けたのか、
シンジくんの言動も自然と変化したように感じます。
「旧世紀版」でも、シンジくんは周囲の人達の影響を受け
変わったり戻ったりしつつ頑張っていましたが、
「破」ではなにより最後、
自分の意思で初号機を再起動させヒトの姿を捨ててまで
使徒に立ち向かいレイを救い出したことが一番の変化だったし驚きでした。
「旧世紀版」のゼルエル戦は
最終的に初号機の意志(本能?)で勝利し溶けちゃったので、
ただEVAになされるがままという印象だっただけに、
シンジくん自身の「レイを助けたい」という願いで
初号機を動かした事がすごく感動的だったからです。
そんなふうにシンジくんを変えたのは
やっぱりミサトさん・レイ・アスカだったのかな、と思います。
レイの健気さがゲンドウを変える?
あと、変わりそうな人がもう一人いました。
ゲンドウさんです。
レイが食事会を提案するという意外な行動の影響を受け、
シンジくんと食事してもいいかな~と思ってくれたようですね(笑)。
残念ながら運命なのか叶わなくて
「破」ではゲンドウさんの変化はなかったわけですが、
もしかしたら今後、レイ次第で変化はあり得るかも?
「破」でのいろいろなADVANCE
「破」のリツコさんはいつも通りゲンドウさんの言いなりっぽいけれど、
レイの変化で影響を受けたのでしょうか?
ゲンドウさんが変わればリツコさんの運命も変わるとは思うのですが・・・。
加持さんもあまり変わったところは見られず、
あいかわらず裏工作してたり、
優しくミサトさんを見つめたり(きゃ♪)、
シンジくんや子供達に海の本来の姿を教えたりと導く役目をしてましたね。
しいて変わったといえば、語学が堪能な一面を披露した事、かな?(笑)
「破」注目キャラのマリは、
今回居てくれるだけで「エヴァ」は変わりましたね(笑)。
あと、シェルターからシンジくんを引っ張り出してくれたおかげで
レイのピンチに彼が気付き、ゆくゆくシンジくんの変化に繋がりましたね。
それと2号機を思いっきり変身させてくれました!
マリのバックにいる組織やマリ自身の思惑は
「破」だけでは知る由もありませんし、
なにかの設定資料で見た
「ゲンドウと同じ仕草で眼鏡を上げる」という一文も気になります。
「Q」に期待してます。
カヲルくんは遂にEVAに乗りましたね。
「旧劇場版」のEVAシリーズに挿入された
ダミーシステムのカヲルくんしかEVAに乗ってないですし・・・。
彼はEVAをどう操るのか?
月にいたのはアダムなのか?
やはりアダムの魂を宿しているのか?
アダムごとEVAになったのか?
カヲルくんは「旧世紀版」で、
シンジくん達リリン=人類こそが滅びの時を免れるべき
選ばれた生命体だと言っていました。
シンジくんは死すべき存在ではないとも。
「シンジくんの幸せ」とは
人類補完計画による完全な生命体への進化のことなのでしょうか?
それをカヲルくんの意志で行うのか?
カヲル君の自由意志の変化、も考えられました。
ADVANCEは「Q」へ続くのか?
「破」でシンジくんや物語はだいぶ変化を遂げましたが、
「Q」でも続くのか、それはわかりません。
「エヴァ」は繰り返しの物語と庵野総監督はおっしゃってました。
変化した心や物語がまた戻されようと
シンジくんはじめ「ヱヴァ」のみんなは精一杯もがくと思います。
そんな生きざまをしっかり見届けます。
おまけ・使徒も変わりました
使徒・・・変わりましたね~。怖くなりました。
残念ながら「旧世紀版」の素材紛失という理由から
ガギエルは再現されずまっったく違うモノになりましたが
私的には新デザイン使徒は嬉しかったです♪
どんどん大きくなる第8の使徒や
正体見たり!の第9の使徒、
包帯のカタマリのようになった第10の使徒
(レイとの融合を見越して包帯?)など、
パワーアップした使徒にワクワクしました♪
個人的に切ないシーン、セカンド・インパクトの中逃げる葛城父娘
「破」で加持さんがシンジくんに話してくれたミサトさんの過去・・・
セカンド・インパクトの中逃げる葛城親子の様子が切なかったです。
4人の巨人が見つめる中、父に手をひかれて逃げて、
カプセルに入り父が吹き飛んだところで
形見のペンダントと共に脱出する回想シーンは
思い出しても目が潤んできます。
もし自分の父親が私をかばって目の前で死んでしまったとしたら・・・。
もし天変地異の中娘と逃げていて救命カプセルがあったら
なんとしてでも娘を助けたい・・・。
そんなことを自然と想像してしまいます。
あの地獄の中にいたミサトさんのこと想うと、本当に切ないです。
加持さん、お願いしますね。
今回は2回しか見ていなくて恐縮ですが、
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 2.0」を元に感想を書きました。
なんとか思い出しつつまとめてみました。
Blu-rayの「Ver.2.22」を観て感じたことをまた書ければと思っています。
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