CONTINUE Vol.47 「ヱヴァ」女子スタッフ座談会の感想
今回のCONTINUEでは、
「破」制作に関わった女性スタッフの座談会が掲載されています。

2Dデジタルワーク担当の増田朋子さん、色彩設定担当の菊地和子さん、
原画担当の林明美さん、公式ブログ担当の「小さい人」さんの4名です。
「小さい人」さんはアスカフィギュアに憑依して?の参加です♪
ちなみに林さんのお名前は、
Newtype7月号の表紙のアスカを描かれた事で知っていました。

制作裏話で盛り上がってますね。
「エヴァ」の感想や作業場・スタジオカラーの様子、
メインスタッフ達の生き様?女子目線で語っています♪
旧世紀版(TVシリーズ・劇場版)について
林「最初は見ていて楽しかったんです。でも後半は「これ、どこ行っちゃうのかな?」って。
その後、劇場版を見に行ったんですよ。当時通っていた会社に入る前に朝イチで観に行って。
その日1日ぐったりしてました(笑)。」
増田「だからといって、仕事終わりに見る作品でもないですよね。」
林「そうだよねえ。疲れちゃう(笑)。」
ああ~、わかります、わかります(笑)。
私の場合、「ど~~しても結末が知りたいからっ!」って
当時彼氏だったダンナに懇願して一緒に観に行ったんですが・・・
デートに見る映画でもなかったですね(笑)。
鑑賞後は二人ともな~んにも話せなくなっちゃいましたもん。
でも少しでも早く見たくてたまらない作品でした。
庵野総監督について
増田「庵野秀明さんってどんな人だろうと思っていたんです。
そうしたら、周りの人から「『監督不行届』(著・安野モヨコ)を読んだほうがいいよ」って。」
菊地「あれはバイブルでしたねえ!」
私は「監督不行届」は未読なので
必ず読んで「"女性目線の庵野監督"を知りたい!」と思いました。
ちなみに、
女性目線の「庵野監督とは?」については、
LDについてた会誌?「EVA友の会」(中身の濃い解説)
掲載の4コマ漫画「ガイナさん」(作・水玉螢之丞)や、
アニメージュ1996年3月号付録の
「よいこのGAINAXひ・み・つ大百科」掲載の漫画
「みけこちゃん がイナックスへ行くの巻」(作・ふくやまけいこ)
で以前ちょこっと聞いていました。

「ガイナさん」では、
庵野さんの部屋は"ミサトの部屋作画用モデルルーム"だとか、
4コマ漫画のコマに入らないくらい長身だとか、
番組違いのソフビ人形がお気に入り(LD10巻発売当時)だとか、
次の号(といっても1年2ヶ月後)で
作者も忘れた頃にお気に入りのアイテムを訂正するとか、ですね。
「みけこちゃん~」では、
庵野さんはやはりコマにぶつかるほど長身だとか、
みけこちゃんいわく「ものがいっぱいニャ~」とか、
そんな部屋で寝ることもあるだとか、
机が他にもあるから大丈夫だとか、です。
あと私は庵野監督について
ウルトラマンが大好きな事、
「風の谷のナウシカ」で巨神兵のシーンを担当し体調を崩した事、
赤い色が好きという事、
菜食主義というかお肉が嫌いという事、
以前は常にサンダル履きでしたが
最近は靴を履いているという事、などなどを聞いています。
以上をまとめますと
私が考える庵野監督のイメージ(現時点)とは、
とても長身で細身、
興味がある事・好きな事には貪欲でお部屋がいっぱいになるほど勉強家、
その膨大な知識を作品に惜しみなくつぎ込めるハイセンスの持ち主、
そして作品に妥協を許さない完璧主義者、ですね。
ここにどんなイメージが加わるのか、
「監督不行届」を読むのがとっても楽しみです♪
女性が変えた、スタジオカラーの環境
林「私はスタジオカラーにくる前、もっと男子校っぽいのかと思ってたんです。
ところが実際に来たらかつて経験したことないくらい奇麗なスタジオで。」
増田「安野モヨコさんが最初にスタジオカラーに来たとき、汚くて悲鳴をあげたらしいですよ。
それ以来、奇麗になったとか。」
おお!やっぱり女性の気遣い(というか汚さが許せない?)が入ると
環境は改善されるんですね。
せっかく魅力的な女性が数多く登場する作品を制作しているのですから
奇麗な環境でより美しく描いて欲しいですね(笑)。
「破」でのミサトさんの色香アップやレイの健気さアップ、
アスカのキュートさアップ(全て個人的感想)は
奥様と女性スタッフの皆さんのおかげかも。
やっぱり、金曜はカレーの日♪
林「金曜日はカレー。海軍的。」
"金曜カレー"については
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ENTRY FILE 1」掲載の
スタジオカラーの様子取材記事でもありましたね。
海軍の慣習というのも知ってました。
「ヱヴァ」はひたすら制作しているんでしょうから曜日を確認するのは大事ですね。
うちも金曜の夕飯はカレーで良いのなら助かるのにな(笑)。
シンジくんへの見方の変化
林「もともと私、シンジが苦手だったんですよ。」
増田「わかるよ!乗りたくないなら、乗らなきゃいいんだよ!!(爆笑)。
イジイジしてイラっとするんもん。」
林「ところが『破』では不覚にも、シンジを応援しちゃいました。
そうそう、そうなんですよ!
「破」のシンジくんは応援しちゃうほど愛しいんですよね。
痛いし怖いからエヴァにはもう乗りたくない、
でも仲間を守りたい気分になって乗りこんじゃう。
シンジくんの場合みんなを守らなきゃ!っていう感じが希薄だし
時には平気で仲間を見捨てちゃうから
不可解さも相まってついムカっとしちゃいましたね・・・。
「破」でも相変わらずそんな態度を残すシンジくんですが、
食事を振る舞ったりお弁当を作ったりするシーンが増えたし
(TVシリーズでも調理シーンはあるのに短いからですかね)、
必死でレイを助け出そうとするシーンがあるからでしょうか、
シンジくんに以前より健気さを感じて
なんだか母性本能がくすぐられたんじゃないかな~と思います。
「ヱヴァ」に命を懸けているスタッフのみなさん
小さい人「「命懸けの部活」感覚なんですよ。」
増田「あの人たち(「ヱヴァ」のメインスタッフ・40代)は時間があったら、
全部『ヱヴァ』に使っちゃうから。」
増田「あのクライマックスのシンジのカット・・・最後の最後に作業したんだよ。
締め切りの数時間前だよ?死ぬかと思った。
チェックする鶴巻さんも死人みたいになってさ。」
「破」でもやっぱり現場は壮絶だったんですね。
公開ギリギリまで作業している印象はありましたが
そんなに命懸けとは・・・。
その様子だと、ラストあたりは納得いくものになっているのかな?
まさかとは思うけど、「破」上映期間の今、
まだ「Q」は手つかずで「破」の完成度をあげているかも・・・。
座談会の最後では、
別の仕事が入ると「Q」制作には来れないよと言う林さんや、
ずっとカラーに入ってた訳じゃないから・・・と言う菊地さんに対し、
女子スタッフが少なくて寂しいからずっとカラーに居てよ!と
増田さん(増田さんはカラー所属)が頼んでいるのが面白いですね♪
増田「いつも制作はVTOLみたいに垂直発進だから、
タイミングを計るのは難しいよ。」
とどめの?勧誘文句が笑えました。
楽しい座談会を読めて嬉しかったです。
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