映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」感想
旧世紀版「エヴァ」を全て観て、
私にとって「エヴァンゲリオン」は人間賛歌の物語になりました。
人間の強さと弱さと優しさと残酷さ、自分と他人、
そして生命の素晴らしさ。
全部包み込んで"人間は尊い"と思いました。
時々ふと自分の存在や命・魂について
不思議に思う事は若い時からありましたが、
「エヴァ」を観てからは
自分や人間の在り様を真剣に考えるようになりました。
そして、決して明かされない謎にずっととりつかれ
永遠の謎解きに喜びを感じたりもしています。
ただ、物語の結末が"人間そのもの"で、
何度も一歩進んで二歩下がる精神世界と
生々しい殺戮や性表現の現実世界で構成されていて
観ていてとても辛い作品でした・・・。
そんな心のリハビリ?に
コミック版「エヴァ」を読んで
謎解きや結末の展開を楽しみに過ごしていたある日、
庵野さんの、庵野さんによる
再構築「エヴァ」制作の所信表明を読みました。
もう正直、胸が高鳴って嬉しさにうすら涙を浮かべました。
たとえまたストレートな人間描写が胸に突き刺さっても、
「エヴァ」の物語の"別の可能性"が観られるのですから・・・。
そんな所信表明にもあるように、
「序」は旧世紀版と似たような始まりでありながら
クライマックスのヤシマ作戦から少し流れが変わっているので、
今後の"別の可能性"へのかけはしとなっていると思いました。
(思わず「!!!」となった、映画後半の驚きの展開については
「ネタばれ感想」に詳しく書きます。)
初号機の体の蛍光色や随所に現れる虹など光の表現が美しいし、
ビルや電車など機械類の動きがさらにマニアックになってまして、
これら新技術も「序」の見所ですね。
使徒との戦闘も「うっ」となるほど生々しくなって、
生物同士の生存競争、という様相を強く感じます。
そして謎を残す終わり方や
旧世紀版でおなじみ「つづく」「予告」など、
「エヴァ」はやはりサービス精神に満ちていました。
素晴らしい映画です。
※新カットを含む、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 1.11」の感想はこちら
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